2022年10月22日(土)、今年度1回目の鳳雛ゼミがノトクロスポートにて開催され、能登高生と社会人の方々、計14名が参加しました。
鳳雛ゼミとは、高校生と地域に暮らす大人が一緒に地域課題を学び、その解決策を考える課外学習の場です。能登高校と能登高校魅力化プロジェクトが協力して2018年より実施しています。
昨年度の鳳雛ゼミについてはこちらからご覧いただけます。
今年は「能登の里山」を共通テーマとして、全4回実施します。
日本では自然と人間が共生するため、長い年月をかけて里山を育ててきました。そこは持続可能な環境であり、豊かな生態系がその繊細なバランスを保っています。能登の先人たちもまた、知恵と文化を繋いで自然と、自分たちの暮らしを守ってきました。しかし近年、さまざまな課題によって里山が失われつつあります。
第1回では、「耕作放棄地」を取り上げました。農林水産省では、耕作放棄地を「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕作する意思のない土地」と定義しています。高齢化や農家の不足などの原因で、年々その面積が増えている耕作放棄地ですが、地域や私たちの暮らしにどんな影響があるのでしょうか。まずは資料をもとに原因や影響、解決への取り組みなどを学びます。
課題への理解を深めたあとは、実際に耕作放棄地問題の解決に向けて行動している方のお話を伺いました。ゲストとしてお越しいただいたのは、宇出津にある数馬酒造株式会社の代表、数馬 嘉一郎さん。若くして社長に就任した数馬さんは、働く人のため、商品のため、地域のため、さまざまな制度改革を行ってきました。その一つが、能登の耕作放棄地を活用した酒米づくりです。荒れた農地を開墾してよみがえらせることで、地域の景観を守りながら地の利を活かした美味しいお酒を造っています。
「能登に耕作放棄地がたくさんある」という事実は、「これから新しく活用できる土地がたくさんある」と考えることもできます。数馬さんは「事実をどう捉えるかが大事」とはじめにお話しされましたが、数馬酒造の取り組みを伺うと、まさにその言葉を体現しているように感じました。
最後に、「自分たちだったらどんなアイディアで耕作放棄地を再生できるか」という問いについてチームで考えてみました。今回は0から発想するのではなく、それぞれのチームに与えられたキーワードを取り入れて革新的な解決策を考案。「踊って学べる自然体験『にょきにょきプロジェクト』」や、「遠隔操作で畑作業を手伝う『すすむすすめプロジェクト』」、「オンラインで有名人と交流できる農業体験『くちかみざけ』」といったユニークな案が生まれました。
次回の鳳雛ゼミは、11月19日(土) 13:00~17:00、ノトクロスポートにて開催します。テーマは「里山×獣害問題~なぜ能登でイノシシが急増しているのか?~」。1回だけの参加も大歓迎です。高校生と一緒に地域のこと、将来のこと、学んでみませんか?参加をご希望の方は、まちなか鳳雛塾までご連絡ください。