11月6日(土)、今年度2回目の鳳雛ゼミが開催され、能登高生9名と地域の方々12名がコンセールのとに集まりました。
鳳雛ゼミとは能登高生が大学生や社会人と一緒に地域課題を学び、解決策を探る場です。 鳳雛ゼミの詳細や前回の様子については、こちらをご覧ください。
今回のテーマは、
【海×漁業(違法操業)問題 ~漁業の環境変化に立ち向かう町の人々の強さとは?~】
能登町の小木という港町が「イカの町・小木」と呼ばれることをご存じでしょうか。
能登半島沖の日本海は暖流と寒流がぶつかる地点にあたり、豊かな漁場となっています。特にイカ漁において、小木港は函館・八戸と並んで日本三大漁港に数えられるほど、古くからイカ漁が盛んです。全国で食べられるスルメイカのうち約1割が小木港で水揚げされているそう。小木港の近くに昨年完成したイカの駅つくモール | 能登・九十九湾の観光交流施設 (ikanoeki.com)は、巨大なスルメイカのモニュメントが話題ですね。
しかし、そんな能登町のイカ漁が今、苦境に立たされているのです。その原因の一つが外国漁船の違法操業。日本の排他的経済水域(EEZ)内にある好漁場に近年たくさんの外国船が集まっており、日本の船が漁を続けることが困難な状況です。
まずは現状を知るため、参加者たちはグループに分かれて新聞記事などの資料を読みこみ、問題の理解を深めます。その後、「自分が漁協の担当者だったら、この困難をどうやって乗り越えるか」という課題について、グループで意見を出し合って考えました。
また、ゲストに「能登小木港スマイルプロジェクト」の灰谷貴光さんをお招きし、「小木の開拓者精神とレジリエンス(復活力)」のテーマで講演をしていただきました。
小木港における漁業の歴史を見ると、小木の漁師たちはこれまで何度も困難を乗り越えてきたことが分かりました。今回も日本海でのイカ漁が危機的な状況にあるため、小木のイカ漁師は遠く太平洋で漁場を開拓しているそう。先人たちの開拓者精神が今も受け継がれているのかもしれません。
また、灰谷さんは2008年に中止されたイベント「能登小木港イカす会」を復活させるため、まずは草刈りの活動を開き、町民が交流する場を作ったり、教育と連携したイベントを企画したりと、積極的に町おこしに取り組んでいます。 そして2014年 、イカす会はついに復活。「まずはできることから、何か始めることが大事」と語る灰谷さんの言葉にはとても説得力があります。
今回の鳳雛ゼミを終えて参加者からは、「色々な年代や立場の方とお話できて楽しかった」「灰谷さんのお話が感動した」「自分たちが暮らす町の問題でも知らないことが多かった」といった感想がありました。
次回の鳳雛ゼミは2021年12月5日(日)午後に開催します。
テーマは「海×地球環境問題~地球温暖化と漁業の未来ってどんな関係があるの?~」です。
中学生から大学生、大人の方まで、どなたでもご参加いただけます。
参加料は無料で、申し込みは3日前までにまちなか鳳雛塾のSNSからアンケートに回答していただくか、お電話にてご連絡ください。
能登高生と一緒に楽しく学んでみませんか?お待ちしております。