7月8日(水)、一年生の「総合的な探究の時間(以下、総探)」の一環として、鵜川地区にてフィールドワークを実施しました!

鵜川は、古くから漁業や漁船で栄えた港町ですが、近年の過疎化や震災の影響により、かつての活気が失われつつあります。
一年生は一学期まで、探究活動の定義や、探究を通じて培われる能力といった基礎的な座学に取り組んできました。二学期からは、生徒自身の主体的な姿勢が求められます。
今年の総探の大きなテーマは「地域を良い状態(Well-being)にする」です。このテーマに向け、二学期からは、生徒自身が地域から問いを見つけ、探究していく段階へと移行します。
| 今年度の総合的な探究の時間のテーマ=「地域を良い状態(Well-being)にする」 ここでの「地域」とは「エリア(能登町・能登)」だけでなく「自分以外の誰か・何か」と定義しています。 普通科と地域産業科が合同で活動し、生徒が主体的に問題を発見し、課題を設定し、課題解決力を育む時間です。 |
今回のフィールドワークは、過去・現在・未来の鵜川を知り、地域の変化や現状を実感することを目的としました!
【過去を知る】旧能登線鵜川駅
かつて漁業で栄えた鵜川も、過疎化により人口が減少しています。
その象徴ともいえるのが、旧能登線の廃線に伴う鵜川駅の廃駅です。かつて賑わっていた駅跡を訪れ、五感を使って当時の様子を想像してもらいました。この体験を通じて、時間の経過とともに変化する地域の姿を捉え、将来の探究活動の視点として役立てることを期待しています。
【現在を知る−1】鵜川の祭り

次に菅原神社を訪問し、鵜川の伝統である「いどり祭り」と「にわか祭り」について学びました。
神職の梅田 真人さんのお話やニュース映像を通じ、これらの祭礼が住民に与える意味、そして震災のあった2024年も地域が奮起して祭りを開催した背景や想いを学びました。地域との繋がりや伝統の重みを感じ、探究のヒントを得る貴重な機会となりました!
【現在を知る−2】日の出大敷

鵜川漁港では、伝統的な定置網漁を行う有限会社日の出大敷の平 佳人さんからお話を伺いました。生徒たちは実際に漁船に乗り、漁の仕組みや現場を肌で感じました。
平さんは、現場で働く漁師の視点から、漁業を通じて取り組んでいることについて以下のように語りました。
- 持続可能な漁業: 網目を大きくして稚魚を逃がす取り組み。
- 付加価値の向上: 船上での血抜きによる鮮度保持や、最高級ブランド「煌(きらめき)」による天然能登寒ブリのブランド化。
- 技能実習生の受け入れ:漁業の担い手不足を解消するため、漁師20名のうち8名のインドネシア籍技能実習生と共に働いています。日本の漁業知識を伝え、彼らが帰国後に母国で活かせるような互恵的な関係を築いていること。

平さんは、美味しい魚が人を呼び、それが観光や宿泊業の発展に繋がる「循環」を目指していると語りました。
大人が現場の課題をどのように認識し、それに対して具体的にどのように取り組んでいるかを聞くことは、生徒たちにとって非常に有益な時間となりました!
【現在を知る−3】Feel度ワーク

誰かの話を聞くだけでなく、実際に鵜川地区を歩く時間も設けました。
過疎化や震災の影響により、街の景観がどのように変化したかを目に向け、最も心が動いた瞬間をスマートフォンで撮影しました。その際、なぜ気になったのかを言語化することで、地域を「自分事」として捉える貴重な機会となりました。
【未来を知る】コミュニティづくりと地域活性化

最後に、能登町を拠点に活動するクリエティブデザイナーの辻野 実さんからお話を聞きました!
辻野さんは、地域交流拠点「みんなの番屋」の建設を進めており、コミュニティの再建を目指しています。特に地域で生きる喜びや誇りを生み出す施策の一環として、鵜川の水産物を使用した「魚介ラーメン屋」を施設内に併設する計画は、生徒たちの大きな関心を集めました。
生徒の振り返り
フィールドワークの最後に、心が動いた言葉、景色、そして感じたことをワークシートに記入してもらいました。
生徒が多く挙がったのは、「過疎化や震災という困難の中にありながらも、諦めずに地域をより良くしようと情熱を持って動く大人の姿」への感動でした。
お祭りの開催、漁業を通じたブランド創出、交流拠点の整備など、地域の人々の熱意を肌で感じることができました!今回のフィールドワークは、生徒たちの探究活動へのモチベーションを高める絶好の機会となりました。また、大人がどのように地域の課題を発見し、取り組んでいるかという姿は、生徒たちにとって今後の総探の活動における大きなヒントになったはずです。

